虚偽公文書作成等罪

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虚偽公文書作成等罪とは、公務員がその職務に関して行使の目的で、虚偽の文書・図画(とが)を作成し、または文書・図画を変造した場合に成立する犯罪です。

虚偽公文書作成等罪は、刑法156条に規定されています。
虚偽公文書作成等罪の刑事罰については、「印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。」と規定されています。
つまり、虚偽公文書作成等罪の対象となった文書・図画が、刑法154条の詔書偽造罪、詔書変造罪の対象物である天皇名義の文書(御璽・国璽を押し、または御名を署した詔書その他の文書)の場合には詔書偽造罪、詔書変造罪の刑罰である、無期懲役または3年以上の懲役が科されることになります。
対象となった文書・図画がそれ以外の公文書の場合、印章・署名がある公文書(有印公文書)のときには有印公文書偽造罪有印公文書変造罪と同じ刑罰である、1年以上10年以下の懲役が科されます。
印章・署名のない公文書(無印公文書)の場合には、無印公文書偽造罪、無印公文書変造罪と同じ、3年以下の懲役または20万円以下の罰金が科されます。

本罪の主体となるのは、条文上は単に「公務員」とだけ記載されていますが、ただ公務員であれば、本罪の主体になるわけではありあません。
当該公文書・公図画の作成権限を有する公務員であることが必要です。
これに関し、公文書は、組織のトップである市町村長などの名義でなされることが多いところ、当該市町村長は本罪の主体になり得ます。
文書の名義人ではなく、その補佐をして事実上文書を作成する補助公務員(戸籍係の担当者など)が、虚偽の公文書を作成した場合について、本罪が成立するかどうか、つまりその者が公文書の作成権限を有するといえるかについて争いがあります。
この点、通説判例は、実質的に文書の作成権限を有していると評価できる者については、上司の決裁を経ずに虚偽の文書を作成等した場合に、本罪が成立すると解しています。

虚偽の公文書の作成とは、真実に合致しないことを認識しながらその文書を作成することです。したがって、虚偽であることを認識していることが必要です。
変造とは、真正な文書の内容に改変を加えることです。

公文書の作成権限のない者が、公文書の作成権限のある公務員をだまして、作成権限のある公務員が虚偽であることを知らずに虚偽の公文書を作成した場合に、作成権限のある公務員は虚偽であることの認識がないので犯罪は成立しませんが、その公務員をだまして虚偽の文書を作成させた者について、虚偽公文書作成罪の間接正犯(他人を自己の犯罪遂行の道具として使用して犯罪を遂行するもの)が成立するかについて、学説上の論争があります。
これに関しては、公務員に虚偽の申立をして登記簿や戸籍簿等に不実の記載をさせる犯罪として、公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)等があることから、それと重なる内容を間接正犯として認める必要がないという見解が有力です。

この点、判例は、公務員でない者が、公務員をだまして虚偽の公文書を作成させた場合については、刑法157条の公正証書原本不実記載罪等が成立しない場合には、処罰しないと判示しました(最高裁判決昭和27年12月25日)。
ただし、公文書の起案を担当する公務員が、故意に虚偽の公文書の文案を作成し、公文書の決裁権者(作成権限者)をだまして虚偽の文書を作成させた場合については、虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立すると判示しました(最高裁判決昭和32年10月4日)。

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