水道毒物等混入罪、水道毒物等混入致死罪

水道毒物等混入罪とは、水道により公衆に供与する飲料の浄水・その水源に、毒物そのほか人の健康を害する物を混入する犯罪です。235 水道毒物等混入.png 水道毒物等混入致死罪とは、水道毒物等混入罪を犯し、よって人を死亡させた場合に成立する犯罪です。

水道毒物等混入罪は、刑法146条前段に規定されており、水道毒物等混入致死罪は、刑法146条後段に規定されています。
刑事罰について、水道毒物等混入罪は、2年以上の有期懲役(20年以下)であり、水道毒物等混入致死罪は、死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役(20年以下)です。

水道毒物等混入罪における水道とは、水道汚染罪における水道と同じで、飲料用の浄水を供給するための人工的設備のことです。
水道により「公衆に供給する飲料の浄水」は、不特定多数の人に飲料として供給される浄水のことで、水道で供給される途中の浄水ということです。
また、水道の水源とは、水道に入る前の貯水池、浄水池などのことです。

毒物は、化学的作用により人の健康を害する物のことであり、例えば、青酸カリです。
そのほか人の健康を害する物は、寄生虫や細菌等の毒物以外で人の健康に有害な物質です。
これらの物を故意に混入することにより、水道毒物等混入罪が成立します。

水道毒物等混入罪を犯した者が、傷害を負わせる認識を有しており、結果としても人が傷害を負った場合に、どのような犯罪が成立するか学説の争いがあります。
通説的見解は、水道毒物等混入罪に傷害罪が吸収され、水道毒物等混入罪一罪となるものと解します。
これに反対する見解は、水道毒物等混入罪と傷害罪が両方成立し、観念的競合(刑法54条1項前段)になるとします。

水道毒物等混入致死罪は、水道毒物等混入罪を基本犯とし、人の死亡という重い結果が発生した場合に重い犯罪となるもので、いわゆる結果的加重犯です。
そのような意味で、浄水汚染等致死傷罪と似ています。
ただし、水道毒物等混入致死罪は、人が死亡した場合だけ成立し、傷害になった場合には成立しません。 

結果的加重犯は、重い結果が発生することの認識がない場合に成立する犯罪であるところ、水道毒物等混入罪を犯した者に人を死なせることの認識(殺意)があった場合に、どの犯罪が成立するかの学説上の論争があります。
有力説は、殺人罪と水道毒物等混入致死罪の刑罰が同一であることから、殺意がある場合も、水道毒物等混入致死罪の刑法146条後段だけを適用すれば良いとします。
もう一つの説は、水道毒物等混入致死罪と殺人罪が両方成立し、両罪は観念的競合になるとします。

これに関連して、毒物等混入罪を犯した者が殺意を有しながらも、結果的に人が死亡しなかった場合については、殺人未遂罪と水道毒物等混入罪が両方成立し、両罪は観念的競合になる点については、学説上の争いはありません。
この結論は、殺意があって結果として人が死亡した場合については、水道毒物等混入致死罪と殺人罪が両方成立し、観念的競合になるとする説と親和性がありますが、そのこと自体は決定的なものとは考えられていないようです。

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