秘密漏示罪

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秘密漏示罪とは、医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人、宗教・祈祷・祭祀の職にある者またはこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときに成立する犯罪のことです。

秘密漏示罪は、刑法134条に規定されています。
同罪の刑事罰は、6月以下の懲役または10万円以下の罰金です。

秘密漏示罪は、一定の身分を有する者の行為であることが要件として必要である真正身分犯です。
列挙された身分のうち、医師、薬剤師、助産師、弁護士、公証人については、身分の内容が明らかと思います。
医薬品販売業者とは、薬事法の許可を受けて医薬品の販売業を営む者のことです。
弁護人とは、別に弁護士という記載がありますので、弁護士でない者が刑事事件の被告人の弁護人になった場合の特別弁護人(刑事訴訟法31条2項)のことです。
宗教・祈祷・祭祀の職にある者とは、神職(神主)、僧侶、神父、牧師や祈祷師などのことです。

人の秘密とは、他人の秘密のことですが、その具体的内容について、学説上の争いがあります。
①主観説は、本人が秘密にすることを希望すれば、それが秘密であるとします。
②客観説は、客観的にみて秘密として保護に値する利益があることを必要とします。
③折衷説は、本人が秘密であることを希望しており、かつ、客観的にも秘密として保護に値することが必要とします。
最高裁判例はなく、争いに決着はついていません。

また、他人については、いわゆる自然人だけでなく、会社などの法人も含むと考えられており、企業秘密も秘密漏示罪の対象になります。
ただし、故人の秘密については、対象外と考えられています。

それから、秘密漏示罪の要件として、秘密について業務上取り扱ったことについて知り得たものであることが必要です。
したがって、医師が患者の秘密を業務とは無関係に知り合いから聞いたという場合には、秘密漏示罪の対象にはならないと思料します。

漏示とは、秘密を知らない人に伝えることです。
その手段は問いません。
漏らした相手は1人でも犯罪が成立します。
他言を禁止したとしても、漏示に該当します。

また、正当な理由がある場合には、秘密の漏示が正当化され、秘密漏示罪が成立しません。
正当な理由がある場合としては、法令で告知する義務がある場合です。医師は、特定の感染症の患者を確認した場合には、保健所長等に届け出る義務があります(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律12条)。このような届出は、秘密漏示罪に該当しません。
また、秘密の主体である本人が、秘密を第三者に伝えることを同意している場合にも、秘密漏示罪に該当しません。
それから、弁護士や医師などが秘密を第三者に伝えることが、緊急避難や社会的相当性の見地から正当化され、秘密漏示罪が成立しない場合があると考えられています。

秘密漏示罪は、親告罪です(刑法135条)。したがって、被害者の告訴がなければ、起訴されません。

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