汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪

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汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪とは汽車転覆等罪艦船転覆等罪を犯し、よって、人を死亡させた場合に成立する犯罪です。

汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪は、刑法126条3項において規定されています。
汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪の刑罰は、 死刑または無期懲役です。このように、極めて重い刑罰の犯罪です。

汽車転覆等罪は、現に人がいる汽車・電車を転覆・破壊した場合に成立します。
艦船転覆等罪は、現に人がいる艦船を転覆・沈没・破壊した場合に成立します。
その詳しい内容については、それぞれの犯罪の用語集の説明をご覧いただけたらと思います。

汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪は、汽車転覆等罪または艦船転覆等罪の結果として人が死亡した場合に認められる結果的加重犯と基本的に考えられています。
死亡した人は、汽車、電車や艦船の中にいた者である必要があるかについては、学説上の争いがあります。
汽車転覆等罪や艦船転覆等罪が汽車や艦船の中に人がいることを要件としていること等から、死亡した人も、汽車や艦船の中にいた人であることが必要とする見解があります。
これに対し、最高裁判決昭和30年6月22日は、死亡した人が、汽車や艦船の中にいた者に限らず、汽車や艦船の周囲にいたことで死亡した者も含むと判示しています。
したがって、判例の見解に寄れば、例えば、駅のホームにいた者や踏切で停止していた者などが電車の転覆に巻き込まれて死亡した場合も、汽車転覆等致死罪が成立することになります。

また、刑法126条3項には、人を死亡させた場合だけ記載されているため、死亡まではいかず傷害にとどまった場合について、どのような犯罪が成立するかについて、以下の学説上の論争があり、決着はついていません。
汽車転覆等罪もしくは艦船転覆等罪傷害罪などの観念的競合(刑法54条1項前段)になるとする説。
②傷害の点は、法定刑が重い汽車転覆等罪艦船転覆等罪に吸収されるとする説。

それから、最初から人を殺す意思で、汽車転覆等罪艦船転覆等罪を犯し、結果として人が死亡した場合に成立する犯罪についても論争があります。
①汽車転覆等致死罪または艦船転覆等致死罪だけが成立するとする説。この説は、汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪は、殺意がある場合も含むと考えます。
汽車転覆等罪または艦船転覆等罪と殺人罪が両方成立し、両罪は観念的競合(刑法54条1項前段)の関係に立つとする説。この説は、汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪は、殺意がある場合を含まないとします。
③汽車転覆等致死罪または艦船転覆等致死罪と殺人罪が両方成立し、両罪は観念的競合(刑法54条1項前段)とする説。この説は、汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪は殺意がある場合を含まないとしながらも、殺意がある場合に汽車転覆等致死罪、艦船転覆等致死罪の適用を認めます。

②説に対しては、殺意がある場合が、殺意がなかった場合より刑罰が軽くなってしまうという不合理が生じてしまうとの批判がなされます。 
③説は、そのような批判を回避できますが、殺意がある場合を含まないはずの汽車転覆等致死罪または艦船転覆等致死罪の適用をすることの不自然さ、人の死を二重に評価していることへの批判があります。
①説が、学説上、比較的多数の支持を得ていると思われます。

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