往来危険罪

往来危険罪とは、①鉄道またはその標識を損壊し、もしく往来危険罪.jpg
はその他の方法によって、汽車・電車の往来の危険を生じさせた場合、②灯台・浮標を損壊し、またはその他の方法によって、艦船の往来の危険を生じさせた場合に、成立する犯罪です。

往来危険罪は、①の犯罪が刑法125条1項、②の犯罪が刑法125条2項に規定されています。
往来危険罪の刑事罰は、2年以上の有期懲役(20年以下)です。①の犯罪も②の犯罪も同じです。

まず、①の犯罪について、説明します。
鉄道とは、線路のレールや枕木、トンネルなど汽車・電車の運行に必要な一切の施設・設備のことです。
その標識とは、汽車・電車の運行に必要な信号機などの標示物のことです。
損壊とは、物理的に破壊することです。
①の犯罪に関する刑法125条1項に例示されている実行行為は、鉄道またはその標識を損壊することですが、その他の汽車・電車の往来の危険を生じさせる行為一切も、本罪の実行行為です。
例えば、線路上に石などの障害物を置くことです。
他にも、判例で認められたものとして、無人電車を暴走させること(最高裁判決昭和30年6月22日)、地下鉄の線路上に鉄製のゴミ箱を投げ込む行為(東京高裁判決昭和62年7月28日)があります。
汽車とは、蒸気機関で軌道上を走行する交通機関のことです。汽車に、ガソリンで走行するものも含むとした古い判例があります(大審院判決昭和15年8月22日)。
電車とは、電力によって軌道を走行する交通機関です。モノレールやケーブルカーも電車に含まれると考えられています。ただし、バスやロープウェイは、軌道を走行しないことから、電車には該当しないものと考えられています。
本罪は結果として、汽車・電車の往来の危険が発生したことが必要です。
往来の危険とは、衝突、脱線、破壊などの往来に危険な結果を生ずるおそれのある状態のことです。
最高裁判決平成15年6月2日は、単に交通の妨害が生じただけでは足りないが、脱線などの実害の発生が必然的ないし蓋然的であることまで必要とするものではなく、実害の発生する可能性があれば足りると判示しています。
このような具体的な危険が発生したことが必要なことから、具体的危険犯とされます。

次に、②の犯罪の説明をします。215 往来危険罪.png
②の犯罪の刑法125条2項で例示されているのは、灯台・浮標の損壊です。
灯台とは、舟の航行のための灯火による陸上の標識です。
浮標とは、舟の航行の安全のための水上の標示物です。ブイとも言われます。
損壊は、物理的に破壊することです。
灯台・浮標の損壊だけでなく、艦船の往来の危険を生じさせる行為一般が実行行為になります。
例えば、灯台の灯りを消すことも実行行為になります。
艦船とは、船舶一般のことです。艦船の大小を問わないのが一般的見解です。
②の犯罪も、結果として、艦船の往来の危険が発生したことが必要です。
往来の危険は、衝突、破壊などの往来に危険な結果を生ずるおそれのある状態のことです。
②の犯罪も具体的危険犯とされます。

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