放火予備罪

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放火予備罪とは現住建造物等放火罪または他人所有の非現住建造物等放火罪を犯す目的で、その予備行為をする犯罪です。

刑法113条に規定されているものです。
その刑罰は、2年以下の懲役とされています。
ただし、情状により刑を免除することができるとも規定されています。
したがって、放火予備罪で検察官起訴して刑事裁判になった場合でも、裁判官が刑の免除(刑事訴訟法334条)を言い渡すことがあり得ます。
刑の免除は有罪判決ですが、刑罰は科されません。

放火の予備行為とは、実行の着手前に火を放つ準備をする行為です。 
実行の着手が認められると、その時点で放火罪の未遂犯(刑法112条)が成立しますので、その前段階でしか問題にならないのです。
例えば、放火の道具を用意する行為や、放火場所を探してまわる行為、時限発火装置を設置する行為が予備行為に該当すると思われます。
放火のためにガソリンを撒く行為は、原則として予備行為に該当します。
ただし、木造家屋の部屋を密閉させた上、プロパンガスを大量に放出させ、ガソリンを撒いた事案に関し、この時点で非常に危険度が高いとし、実行の着手を認めて、放火予備罪ではなく、現住建造物等放火罪の未遂犯を認めた下級審裁判例があります。

放火予備罪が成立するためには、現住建造物等放火罪または他人所有の非現住建造物等放火罪を犯す目的が必要です。
これは、放火罪のなかでも重い放火罪の目的での予備行為のみ犯罪としているといえます。
ですから、自己所有の非現住建造物等放火罪を犯す目的や建造物等放火罪を犯す目的で予備行為をしたとしても、放火予備罪は成立せず、この段階では何の犯罪も成立しないと思われます。
また、刑法115条により、自己所有でも差押えを受けていたり、他人に賃貸していたりしたことで他人所有と同様に取り扱うことになる結果、他人所有の非現住建造物等放火罪が適用される場合に、その放火目的で予備行為をしたときには、放火予備罪が成立するとした古い判例があります。

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