公用文書等毀棄罪

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公用文書等毀棄罪とは、公務所の用に供する文書または公務所の用に供する電磁的記録を毀棄する犯罪のことです。

刑法258条に規定されています。
公用文書等毀棄罪が成立した場合の刑罰は、3月以上7年以下の懲役です。罰金刑はありません。

公務所の用に供する文書とは、現に公務所で使用または保管されている文書のことです。
公務員または公務所が作成する文書である公文書とは異なります。公文書は偽造罪で問題となります。
ですから、私文書であっても、公務所で使用または保管されていれば、公務所の用に供する文書に該当します。
なお、公務所については、刑法7条2項で、「官公庁その他公務員が職務を行う所をいう。」と規定されています。
最高裁は、公用文書等毀棄罪の対象となる文書は、まだ作成途中の文書でも構わないと判決しています。
加えて、別の最高裁判決では、黒板にチョークで書かれた字を消した場合にも、公用文書等毀棄罪の成立を肯定しています。

また、公務所の用に供する電磁的記録については、電磁的記録とは、電子的方式、磁気的方式その他、人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理のように供されるものをいうと規定されています(刑法7条の2)。
最近は、官公庁でも、紙媒体の記録ではなく、コンピュータ化が進み、電磁的記録が普及していますので、昭和62年の改正の際に付け加えられたものです。

公用文書等毀棄罪の実行行為である毀棄とは、文書を破り捨てるなど文書の効用を害する行為のことです。
文書の記載を抹消する行為も毀棄に該当します。
また、文書を持ち出して隠匿する行為も、毀棄に該当するという最高裁判決があります。文書を持ち出した時点で、窃盗罪が成立しそうですが、判例の考え方では、自分の所有物として利用処分する意思が必要であり、隠す目的の場合には窃盗罪は成立しません。

電磁的記録に関する毀棄とは、電磁的記録の消去などのように電磁的記録の証明作用としての効用を失わせることです。コンピュータを壊して電磁的記録を失わせる場合も、電磁的記録の毀棄に該当すると思われます。  

公用文書等毀棄罪は、私用文書等毀棄罪とは異なり、親告罪ではありません。つまり、被害者などの告訴がなくても公訴提起が可能とされています。

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