強盗罪

強盗罪とは、暴行・脅迫を用いて他人の財物を奪った(強取した)場合に成立する犯罪です。強盗

刑法236条で規定されています。
強盗罪を犯した場合の刑罰は、5年以上20年以下の有期懲役であり、比較的重い刑罰が科されます。

強盗罪に該当する具体的な例としては、拳銃を持って脅迫して銀行強盗するというのが典型的です。
包丁やナイフなどの凶器を所持しての脅迫の場合に強盗罪が認められるケースが多いですが、必ずしも凶器が必要なわけではありません。
また、ひったくりは、窃盗罪になる場合が多そうですけれども、最高裁判例で、自動車の窓から通行中の女性が持っているハンドバッグをつかんで引っぱったところ、女性が抵抗したため、自動車を進行させ、女性が転倒したり電柱に衝突したりした事案について強盗罪で有罪としたものがあります(最高裁決定昭和45年12月22日)。
ひったくりでも、強い暴行・脅迫の場合には、強盗罪が成立することもあるわけです。

強盗罪が成立する場合の暴行・脅迫については、暴行罪脅迫罪に該当する行為というだけでは足りず、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫であることが必要とされています。
反抗を抑圧するというのがどのような状況を指すのか分かりにくいですが、別の言葉で言えば、被害者抵抗することが不可能か抵抗することが著しく困難である場合です。
ですから、拳銃や包丁を突きつけられれば、普通の人は抵抗できないと思いますので、強盗罪が成立する暴行・脅迫に該当します。
これに対し、数名の不良少年に路地裏で取り囲まれて「金を出せ」と脅迫された場合や、「お前が不倫していることを奥さんにばらす」と脅迫された場合には、抵抗するのは困難かもしれませんが、不可能ではないですし、著しく困難とまでは考えられませんので、強盗罪は成立しません。このような場合、恐喝罪(刑法249条)になります。

また、初めから家人を殺して金品を奪おうと考えた場合や、金品物色中に家人に見つかったら殺してしまおうと考えた場合、つまり財物を奪う手段として殺害してしまう場合も、強盗罪における「暴行」に該当し、強盗罪が成立します。実際に殺害してしまった場合には、殺害の時点で強盗殺人罪(刑法240条後段)が成立します。 強盗殺人罪は、財物を取得していなくても、強盗するつもりで被害者を殺してしまった時点で成立するのです。強盗殺人罪は、法定刑が死刑と無期懲役だけという極めて重い刑罰が科される犯罪です。

ただ、強盗をしようとして短刀を突きつけたところ、被害者がその場から逃げ出した際に落としていった革製手袋1個を拾得した事案について、強盗は未遂とされた裁判例があります(名古屋高裁判決昭和30年5月4日)。その理由として、手袋を拾得したのは強盗が未遂に終わった後の行為であること、犯人の脅迫が功を奏したわけではないことが述べられています。

それから、財物ではなく財産上の利益を得た場合には、強盗利得罪(刑法236条2項)になります。
財産上の利益を取得した場合の具体例としては、タクシーに乗車して目的地に着いたところでナイフを突きつけてタクシー料金を免れた場合です。
これに関連して、一旦代金を支払うと嘘をついて宝石をだまし取って詐欺罪が成立した後に、被害者から代金を支払えと言われたのに対し、被害者が抵抗不能になる程の暴行を加えて代金請求をあきらめさせた場合について、何罪が成立するか学説上の争いがあります。
①詐欺罪と強盗利得罪が成立する説、②強盗利得罪が成立し、詐欺罪はこれに吸収されるとする説、③詐欺罪と暴行罪が成立する説があります。
この点、最高裁決定昭和61年11月18日が、似たような事例で、②説を採用し、判例上は確定していると思われます。
 

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