窃盗罪

窃盗罪とは、他人の財物を盗む(窃取する)犯罪です。泥棒

刑法235条で規定されています。
窃盗罪の刑罰は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金とされています。

窃盗罪は、いわゆる財産犯(財産に対する罪)の基本となる犯罪であり、一般的にも万引きなど発生件数が多い犯罪ですので、様々な法的問題があります。

窃盗罪が処罰の対象としている窃取という行為は、他人が事実上占有している物の占有を奪うことだとされています。
人が持っている物を奪うスリや店に陳列されている商品を奪う万引き、空き家から物を奪う空き巣は、いずれも窃取という行為に該当しますので、窃盗罪になります。
これに対し、既に自分が他人から預かっている物を自分のものにするのは、占有を奪っているわけではないことから、窃盗罪ではなく、横領罪(刑法252条)に該当します。
ただし、コンビニエンスストアの従業員が深夜1人で勤務中に店の商品を自分のものにしてしまった場合、横領罪が成立しそうですが、横領罪ではなく窃盗罪が成立します。単なる従業員には独立した占有はなく、法的には占有補助者とされるからです。店長のような立場であれば、窃盗罪ではなく横領罪が成立する可能性が高いと思います。

また、路上に落ちている物を自分の物にすることも、占有を奪っているのではなく、誰も占有していない物を自分のものにすることであり、遺失物横領罪(占有離脱物横領罪。刑法254条)に該当します。
この点、外出先で置き忘れた物が取られてしまった置き引きの場合に、窃盗罪が成立するのか、遺失物横領罪が成立するのか微妙な判断の分かれ目があります。
最高裁判決で、バスの改札口で行列に並んでいるときにカメラを置き忘れ、5分後に20メートル離れたところで気づいて引き返したが既に取られていた事例において、窃盗罪を認めたものがあります(最高裁昭和32年11月8日判決)。
この程度であれば、まだ持ち主の占有が残っていると判断されたものと理解されます。

窃盗罪の対象は、「財物」とされます。この「財物」に、電気のようないわゆる無体物を含むか問題とされています。
この点、電気については、刑法245条で、「電気は財物とみなす」と規定されたことから、電気を盗むことも窃盗罪に該当することが明らかとなっています。
したがって、お店で勝手に携帯電話の充電をするのは窃盗罪に該当することになります。この問題については、こちらのコラムで詳しく説明していますので、ご覧ください。
電気以外で、熱気などのエネルギーなどが窃盗罪の対象になるかどうかについては学説上争いがあり、解決はされていません。 

元々自分の自転車であったが、何者かに盗まれたところ、盗まれた自分の自転車を見つけたときに、自分の自転車を奪い返す行為が窃盗罪に該当するかということも問題とされています。
学説の多数の考え方は、基本的に自力救済を否定し、自分の物であっても窃盗罪成立の余地を認めますが、自救行為をする必要性・緊急性・手段の相当性が認められる場合には、窃盗罪は成立しないものとします。

それから、窃盗罪については、基本的に一時使用は処罰されないと考えられています。
例えば、他人の自転車を短時間勝手に借りて元の場所に返すのは、窃盗罪ではないとされています。
この点についても、コラムに詳しく記載していますので、よろしければご覧ください。

窃盗罪に該当しそうでしない行為として、他人の物を嫌がらせの目的で奪って粉々にしてしまう行為があります。
物を奪った時点で窃盗罪が成立しそうですが、嫌がらせ目的の場合には窃盗罪が成立せず、器物損壊罪(刑法261条)が成立するだけとされています。
それは、窃盗罪の成立に必要な不法領得の意思がないからだというのが判例の考え方です。

また、窃盗罪は、あくまで「財物」という物を盗む犯罪であり、物ではなく利益を盗むのは窃盗罪ではありません。
利益を盗むことを法的には利益窃盗と言いますが、利益窃盗は窃盗罪が成立せず、不処罰と考えられています。
例えば、食い逃げのような場合で、利益窃盗に該当するときは、犯罪になりません。このことも別のコラムで詳しく記載しています。

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